陶芸家(陶工)の仕事
陶芸家とは茶碗や皿といった焼き物の食器類を作る職人であり、陶工と呼ぶこともあります。芸術的な作品作りをしている人が陶芸家、大手の工房で日常品を大量生産している人が陶工、といった一般的なイメージがあるかもしれませんが実際には明確な区別はありません。
焼き物には陶器と磁器があり、これらを総称して陶磁器と呼びます。陶器と磁器の違いは素材(粘土)と焼き方の違いです。ちなみに、日本では焼き物のことを「瀬戸物」と呼ぶことが多いですが、これは江戸時代に今の愛知県瀬戸市の焼き物が有名になったためです。
長引く不況で、数多くの工房が廃業しています。家計が苦しくなると食器類の買い替えを控えるのは当然だからです。それでも陶工や陶芸家になりたいという、日本文化を引き継ぐ志のある若者は少なからずいます。
そういった最中に陶芸家を目指す人の中には、大企業を円満に定年退職した方が増えているようです。
陶芸家(陶工)になるには
学歴、年齢不問。資格もいりません。有名な先生に弟子入りしたり、大手の工房に就職すれば陶工になることができます。
最初の3年くらいは主に粘土をこねる作業をひたすらやらされますので、そこで値を上げる人がでます。その基本作業を行いながら、勤務時間外にロクロを回して自分の習作が認められれば作品をまかされるようになります。
独立して工房を持つのは大変です。まずは土地の確保ですが、窯や作業場以外にも粘土や作品の保管場所などでかなり広いスペースが必用になります。また薪窯の場合は相当な費用がかかりますので、それを補う収入をあげるために作品の単価が跳ね上がってしまいます。
窯元は自分の二世に後を継がせるのが普通です。全く何もないところから出発するには、それまでに大金を溜めておくとか、パトロンをみつけるしかありません。
教室を開いて生徒さんを募集し、生徒さんの作品といっしょに自分の作品を焼くことでコストを下げる手段もあります。
陶芸家(陶工)の平均年収、手取り
平均年収は300万円。とても家族を養える収入ではないので、もっと身入りを増やしたい人は陶芸教室を開くのが普通になっています。陶芸教室は教える先生の技量や知識に雲泥の差があります。教室を始めるにも何の資格や届け出もいらないからです。
陶芸教室をやっている陶工は、陶芸家とは認められない風潮があります。そのため、教室の収入がメインになってしまったのに「教室は頼まれるからやっている」といった態度を貫く先生も多いとか。
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