テレビ局美術スタッフの仕事
テレビ局美術スタッフは、テレビ番組で使うセットや模型を製作する仕事です。
昔から映画や演劇では「小道具さん」や「大道具さん」と呼ばれており、前者が舞台で使う小物を調達する仕事で、後者が舞台を組み立てる仕事です。そして昨今のテレビ番組においては、手のこんだ模型やフリップをたくさん使います。
とかくテレビ業界は忙しい。華やかに見える舞台の裏では多種多様の職種の人材が、まるで夜などないかのように動いています。中でも大変なのが、この美術スタッフと言っていいでしょう。いつ朝日が昇っていつ沈んだかなど、気にしているヒマはないのです。自宅に帰ってもただ寝るだけの生活。下手をすれば、ずっと会社に泊まり続けることになります。
テレビ局に正社員で入ったものの、すぐに辞めてしまう人もいます。常識を逸した過密スケジュールと、プロデューサーやディレクターの指示に振り回されて精神を病んでしまうのです。
下請け会社の大道具さんや小道具さんは、ボランティアや趣味でやっているような人も多くいます。中には修業のために無給で働いている人もいるくらいです。
テレビ局美術スタッフになるには
大手テレビ局に入社する場合、美術系大学からテレビ局の採用試験を受けます。一方でテレビ局下請けの番組製作会社の場合、特に学歴や資格は必用ありません。
テレビ局の正社員スタッフの募集はほとんどありません。空きがあっても強力なコネを持っていないと入れないでしょう。
テレビ局美術スタッフの平均年収(手取り)
大手テレビ局の場合、給与は一般の従業員規定に従って支給されます。平均年収は700万円。一方で、製作請負い会社の場合は多くても400万円前後。場合によっては100万円にも満たないこともあります。
大手テレビ局の正社員であっても、勤務時間はあってないようなもの。時給に換算したら割に合わないかもしれません。スタッフの数や活動エリアは限られていますので、昇進のチャンスもあまりありません。
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