小説家

小説家

小説家の仕事

小説家と聞けば、画家と並び最も知識と権威のある職業に思えます。それはどうしてかといえば、偉大な想像力で富と名声を手に入れた人という連想が働くからです。人の職業の価値観というものは概ね肉体労働の少ない順に優劣が判断されますが、そういう意味で小説家や画家はステータスが高いのです。つまり世間において小説家とは売れっ子作家のことであり、印税で巨額の報酬を手にしている人たちのことを指しています。逆にいえば、小説を書いているけどちょっとした副収入にしかなっていないとか、あくまで趣味で書いているといった人は小説家ではないのです。

 

 

しかしながら実際はどうかといいますと、小説家という職業はけっして肉体的に楽なものではありません。時代ものやSFであれば歴史または未来科学の勉強、恋愛やミステリーであればファッションや小道具または各業界に関する詳細の下調べ...などなど。ときには日本全国、ときには世界各地と取材に飛び回ります。人生経験の豊富な人であれば自分の記憶だけで文章を書いていけるでしょうが、それにも限界があります。

 

 

持ちネタが尽きる

 

 

のです。一冊や二冊は脳裏にストックされた単語やフレーズで小説が書けたとしても、その後も次々と内容の濃い文章を書くことはできません。

 

 

小説家を継続するには定期的に新作を世に出していかないといけません。そうしないと世間からすぐに忘れられてしまい、その後に本を出したとしても以前に築いた名声が本を売る上で威力を発揮しなくなるのです。

 


小説家になるには

小説家になるのに学歴や資格は必用ありません。「お金を払ってでも読みたい」と読者が思うような物語を書ければいいのです。夏目漱石が小説家になったきっかけは、親友の正岡子規(俳人)が作った子規庵という句会が出していた同人誌(ほととぎす)に短編小説を書いたことです。思いもよらず多くの読者が彼の熱烈なファンとなったことで話題となり、大手新聞社が専属契約を依頼してきました。今でもこれと似たケースがありますが、それは携帯小説です。携帯電話を使ってブログ調に毎日投稿していくのですが、アクセス数の多さが話題になれば大手出版社から小説家デビューのオファーがきます。

 

 

現在において小説家になるのに最も現実的なのは、新人賞への応募です。新人の登竜門として有名なのは文藝新人賞、すばる文学賞、新潮新人賞など。また小説のカテゴリー別にもたくさんあって、推理小説であれば江戸川乱歩賞や松本清張賞などといった具合です。他にも各出版社単位、各出版雑誌単位で新人賞募集はいくらでもあります。最も自分にあった新人賞を探すのも重要な作業といえるでしょう。

 

 

世の中には小説家になるための塾や学校がありますが、有名な小説家でそういった塾や学校を出ている人はいないと聞きます。要するに読者を感動させる小説というものは誰かに教えられて書けるようになるものではないのです。大事なのは個性的な表現や物語の組み立て方であって、それは他の誰とも違っていなければなりません。

 

 

先生に習った上手な表現方法や物語の作り方では二番煎じの小説しか書けません。まずは大量の優れた作品を読み、それらを咀嚼し、自分だけのオリジナルを模索していきましょう。

 

小説家の収入

小説家の収入は印税収入です。小説の場合、本の売価の10パーセントが収入になります。例えば1000円の本が100万冊売れれば1億円の収入となります。

 

 

出版社との契約には実売印税と刷り印税があって、前者は実際に本が売れた分だけ印税が発生し、後者の場合は製本した分だけ印税が発生します。一般的に大手の出版社であれば刷り印税契約ですので、在庫のまま売れなくても印税報酬を貰うことができます。

 


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