タクシー運転手の仕事
自民党の小泉改革によって大幅な規制緩和を行った結果、タクシー会社が乱立して業界は熾烈を争う状態となりました。どこの会社も赤字経営にもかかわらず慢性的な運転手不足となっているのは、タクシーの数で他社を圧倒しようという戦略をとっているためであり、加えて給料の安さから運転手の離職率が高いためです。
タクシー運転手の仕事は1日(20〜24時間)勤務の翌日が休みで、月にして15日労働というのが一般的です。
個人タクシーであれば自分の都合に合わせて自由に仕事ができますが、運営にかかる諸経費を考えると地域によっては必ずしも有利とはいえないようです。なお、個人タクシーを運営するには地元の運輸局に届け出をしますが、その際にタクシー運転歴(10年以上)や事故歴などが審査されます(数の調整によって空き待ちのところが多い)。
タクシー運転手になりたい人の多くが「客が指定する目的地まで無事に行けるか」という問題に悩むものです。今ではカーナビ付きの車両が増えていますので、万が一のときには役に立ちます。しかし、毎回のように行き先のデータ入力しているようでは客からクレームが来てしまいます。自分が新人であることを素直に客に伝えれば客が道案内してくれたりで、そのうち道を覚えるようになります。つまり、これについてはあまり気にしないでいいということです。
タクシー運転手になるには
普通運転免許取得
↓
第二種運転免許取得 ※ 注1
↓
タクシー会社採用試験 ※ 注2
↓
社内研修 ※ 注3
↓
タクシー運転手
注1)第二種運転免許取得には平均で20万円かかります(AT車限定の免許もあって少し安くなります)。なお、タクシー会社によっては入社後に第二種運転免許を取らせてくれるところもあります。費用も会社持ちですが、2年以内に退社した場合には全額返還しなければなりません。
この仕事を2年以上継続できる人は少ないので自費取得の方が気楽でしょう。
注2)第二種運転免許を持っていることは特に有利にはなりません。普通免許の違反歴がないことが最も重視される点であり、意外にもタクシー運転手の経験が全くない人の方が歓迎されます。
注3)会社によってはスパルタ教育ですので、中高年者には体力的にかなりハードです。大声での挨拶やお辞儀の仕方、トイレ掃除などもさせられます。研修で新規採用者の大半が辞めていくそうです。
タクシー運転手の収入
ここ数年の全国平均年収は250万円(東京都は平均350万円)。この業界は景気の影響をモロに受けますので、好景気と不景気とでは年収に2倍〜3倍の開きがでます。
給料は固定+歩合制で、売り上げの半額が自分の収入になるイメージです。年収200万円以下の人も多く、入社前の夢と現実のギャップから離職する人が絶えません。
都会であれば営業努力しだいでは年収800万円以上もありえます。経験を積み重ねたドライバーになると、そのときの天候や時間帯によって客待ちの場所を臨機応変に変えるようです。一方で地方の場合には、いくら営業努力をしても収入は横ばいといったケースも珍しくありません。しかし、接客態度が良ければ地味に固定客が増えていくものです。
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