観光バスガイドの仕事
バスガイドとは車掌のことです。車掌の主な仕事は大型車であるバスが安全に運行できるように補佐することです。中でも車両がバックする際に安全確認と誘導をするのは最も目立つ仕事です。そして観光バスのバスガイドはその派生的な職業であり、車両運行補佐と同時に観光旅行客の旅案内も兼ねています。旅案内という意味では同じような仕事にツアーコンダクター(通称ツアコン)がありますが、目的地へはバス運転手が客を運びますので
ツアコンよりも気楽
だそうです。ただし、バスの中でのガイドや話術または歌唱力は努力の積み重ねがなければ務まりません。仕事の合間も歴史や地図を暗記するというのは常識のようです。
しかしバスの車掌という仕事が世の中から姿を消したように、観光バスガイドという職業もまた絶滅危惧種となっています。スチュワーデスが客室乗務員と名を変えてその存続をかろうじて保っている世の中では仕方ないかもしれません。つまりは合理化であり、世の中は全て「安いが一番」なのです。だから「ガイドはいらないから料金を安くして」になるのです。
昔は観光バスガイドも華の職業でした。スチュワーデスが女性の夢見る職業になる以前の話で、時は1960年代。農村で生まれ育った若い娘がバスの車掌に憧れて町のバス会社の寮に入るというのは全国で見られた光景です。目指すは観光バスのバスガイド。当時は最も華やかな職業だったのです。そんな時代から40年ほどが経った2000年。バスの車掌搭乗義務解除(ワンマンバスの認可)に続き、観光バスでも車掌(ガイド)の搭乗義務が解除されました。各バス会社が待ってましたとばかりにバスガイドの合理化に着手したのは言うまでもありません。ガイドを搭乗させるのは人気路線や人気ツアーのみ。それ以外は観光バスでもワンマンバスです。
観光バスガイドになるには
昔は高等学校を卒業してすぐにバス会社の採用試験を受け、全寮制のバスガイド養成コースに入るのが普通でした。しかし今では新卒を採用するバス会社はめっきり少なくなっています。
ほとんどの会社が過去の経験者をアルバイトで採用しています。過去の経験がなく、いきなりアルバイト志願しても採用されません。バスガイドとは、それだけ専門職の色が強い職業なのです。
観光バスガイドの収入
新卒で入って3年で一人前になりますが、そのときの年収が300万円前後。しかしその後はプラス50万円ほどで頭打ちというのが現状のようです。入社から5年ほどで結婚退社する人が多いのはそのためのようです。
子育てが落ち着いたときに過去の経験を活かした再就職が容易という点で、この職業は看護師や薬剤師と同様に魅力的です。
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